インドネシアにいる民族の性格と特徴

インドネシアという島国は、国土も広く人口が多いですが、民族の種類も多く、少数民族も含めると一千以上、大半を占める主な民族でも数百にものぼると言われています。

今回のコラムでは、インドネシアの主要な民族の性格にはどのような特徴があるかについて書いてみたいと思います。

インドネシアの人たちと関わって20年、インドネシア在住歴も15年になりました。

複数民族出身のインドネシアの人たちと関わってきましたが、私一人の意見ではどうしても偏りが出ると思うので、いくつかのインターネット上の文献からインドネシア人の研究者や教職につく方々の意見も参考にさせていただきます。

また、「民族」という概念・グループでは一括りにできない、個人差もありますことをご了承ください。

《プロフィール | 杏子スパルディ》

2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計14年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語コーチ、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州在住。

各民族について

まずはインドネシア国民の約4割を占めると言われているジャワ人についてです。

ジャワ人

実はフリーランスになるまで、インドネシア国内で最も長く勤務した企業の従業員のほとんどはジャワ人でした。ここで指すジャワ人とは、ジャワ島全域ではなく、地域でいうと中部ジャワ~東ジャワのジャワ語ネイティブの民族を指します。

ジャワ人について最も多く言われるのは、その温厚で控えめな性格です。他人を優先し自分は後にまわったり、遠慮がちな場面も多くみられます。後述の他の民族に比べ、個人的にも、他社とのディスカッションでも口論を避けることが多いです。

ただ、だからといって自分の意見を持っていないというわけではなく、近しい人にはその本音を打ち明けたりします。またジャワ人の元同僚の特徴で多くみられたのは、意見を言わずに我慢をして、自分の中で不満のような感じでためてしまい、あとになって意見(その時点では不満・文句になっている)をまとめて言ってくる、ということでした。

こういったチームメイトには、日頃から何気なく最近調子はどうかとか、何か仕事で問題はないか、とヒアリングをするのがおすすめです。

スンダ人

ジャワ人に次いで数が多いと言われるのがスンダ人です。スンダとは西ジャワのことを言います。日本人にも馴染みのある都市名をあげると、Bogor, Bandung, Indramayu などが西ジャワです。

一般に、明るく愛想がよく、楽観的で丁寧な人柄といえます。前述のジャワ人が話すジャワ語も同様ですが、スンダ語にも共通する点は、敬語の種類が複数あったり、丁寧に話す言語が発達した点に特徴があるようです。(もちろんジャワ語にもスンダ語にも汚い言葉はありますが・・・)

さて、ここからはジャワ人・スンダ人とは少し違った性格の民族についてです。

アチェ人

独自のイスラム法を持つ州で有名なアチェ州のアチェ人は、物ごとをはっきりと言い、感情の起伏が激しいと書かれています。ご近所にアチェ出身の家族がいますが、奥様は確かに気性が激しいです。(笑)

多くのアチェ人と関わったことはありませんが、正義感が強いようにも思えます。何かプロジェクトの指揮をとる責任者などに向いているかもしれませんね。

バタック人

続いて、アチェと同じスマトラ島でも北部のバタック人。

バタック人も感情の起伏が激しい方だと記事等では読みました。私が以前から持っているバタック人のイメージは、頭がよく、弁護士や政治家などの職業についている人が多いです。その賢さゆえか、バタック人の元同僚は会議の場や、そうでなくても積極的に意見を言い、納得がいくまで絶対に折れない性格でした。先述のジャワ人とは対照的ですね。

バタック人は歌が上手なことでも知られていて、有名歌手も新旧多数います。

マカッサル人

次に、スラウェシ島のマカッサル人についてです。マカッサル人と働いた経験はありませんが、実は娘と仲がいい友人のお母さんがマカッサル人です。

他複数人のマカッサル人を知っていますが、私個人の印象は気性が激しいな、と思います。一般的にはどう言われているかも調べてみましたが、やはり怒りやすい、否定されることを嫌う、すぐに血が上る、などと書かれています。なので私が感じた印象もそう間違ってはいないようです。

マドゥラ人

次にマドゥラ人です。マドゥラとは、ジャワ島の東端から少し離れたところにある島のことです。

性格以外によく知られているのが、Soto madura という牛肉のスープ料理です。マドゥラ人と関わりが無くても、このスープ料理を食べたことがある人はジャワ島全域にいるのでは、と思います。

マドゥラ人の性格・性質の一つに、節約家で働きものということが書かれていましたが、確かに私が実際に関わるマドゥラ人はみんな商売関連です。いつも食材を買いに行く市場には魚屋さんが何軒かありますが、そのほとんどがマドゥラ人です。

また、日系メーカーの方たちもおそらく取引のある、鉄のスクラップの回収業者も多くがマドゥラ人経営です。中には回収業者そのもののことをマドゥラという人もいるほどです。マドゥラ人の話す言葉は怒っているように聞こえる特徴があるようですが、必ずしも怒っているわけではないそうです。

バリ人

最後に、バリ人についての性格が思わず微笑んでしまうような書き方をされていたので紹介させてください。

喧嘩・権利の主張・怒ること、そういった類のこと全てを面倒に思う性格、と書かれていました。

知人・元同僚にバリ人が複数いますが、これが当てはまる人も、そうでない人もいます。ですが、あのバリ島の雰囲気をイメージしてみると、そのような性格の描写も否定できないな、と感じてしまうから不思議です。

まとめ

このコラムを書きながら気づいたのですが、気性が激しいと言われる地域の料理は、例えばジャワ島のジャワ料理・スンダ料理と比べて、辛い味付けが多いです。料理の辛さと性格・気性の関係もとても興味深いな、と思います。

以上、数多いインドネシアの民族のほんの一部の人たちの性格や特徴について書きましたが、もちろんすべての人に当てはまるわけではありません。実際、ネット上で「ジャワ人の政治家で欲深く悪いことしている人もいるよね」といったコメントも見かけました。

ですが、これらの性格や特徴を知っておくことで、付き合い方や仕事の振り分け、コミュニケーション方法など、役に立つことがあるかもしれません。

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