
インドネシアでは日本食の店をよく見かけます。
わたしの職場があるスマトラの地方都市(「プカンバル」という町)では、ローカルの寿司屋が多い印象。その他、丸亀製麺やキムカツなど、日本から進出している店もあります。
その町で「いちばん好きな日本食」についてアンケートを実施したところ、55人から回答が得られました。
寿司屋が多いので、1位は寿司だろうと思っていたのですが、結果は意外なものに!
この記事では、アンケート結果を踏まえ、インドネシア人(主にプカンバル在住)が好きな日本食ベスト5を紹介します。
結論は、次のとおりです。
第1位:ラーメン
第2位:うどん
第3位:寿司
第4位:たこ焼き
第5位:天ぷら、おにぎり
結果を円グラフにすると、次のとおりになります。

ラーメンが圧勝という結果でした。
詳しくは、続きをお読みください。インドネシアの方を食事に誘う際のご参考になるかと思います。
《 プロフィール | サト 》
日本語教師。学生時代にインドネシア語を専攻し、留学も経験。2011年にはスマトラのプカンバルという町で日本語学校を設立。インドネシア情報を発信する「さとたす」というブログも運営中。
インドネシア人が好きな食べ物ベスト5〜スマトラ・地方都市の場合
ここでは、ベスト5に入った日本食について、現地の状況なども踏まえて解説していきます。
また、選外で特筆すべきものもあったので、「その他の食べ物」として少し触れます。
次の順に見ていきましょう。
第1位:ラーメン
第2位:うどん
第3位:寿司
第4位:たこ焼き
第5位:天ぷら、おにぎり
第1位: ラーメン(24票)

堂々の第1位に輝いたのは、ラーメンです。しかも55票のうち24票(約44%)を獲得し、2位のうどん(8票)に3倍の差をつけての圧勝でした。
この理由は何でしょうか。プカンバルにもラーメンの専門店があるのは確かです。しかし、うどんや寿司の専門店もあるため、店があること自体は決定的な要因ではありません。
これは推測ですが、家でも手軽に楽しめるという、ラーメンならではの特徴が1位に寄与しているのではないかと思います。
たとえば、インドネシアの日清食品がカップヌードルとインスタントの袋麺を現地生産して販売しています。
スーパーなどでも買えますし、作るのもかんたん。他の日本食と比べてもダントツで身近な存在なのかもしれません。
ちなみに、インドネシア語版Wikipediaによると、プカンバルでは85%ぐらいがイスラム教徒だとか(2021年)。
それを反映して、ラーメン専門店は基本的にハラルで、日清食品のカップヌードルや袋麺にも、ハラルマークが記載されています。
ラーメンを選んだ回答者からは、次のようなコメントが寄せられました。
「安くておいしいし、どこにでもあるのがいいと思います。」
やはり、苦労して探さなくてもいいというのがひとつのポイントのようです。
「麺がシコシコしているし、スープも旨みがあっておいしいと思います。」
「通」なコメント! わたしよりラーメンに詳しそうです。
「大阪でハラルのラーメンを食べたことがありますが、プカンバルのラーメンのほうが美味しく感じました。」
プカンバルのラーメンはプカンバルの人の好みに合わせて作っているのでしょう。努力の賜物ですね。
第2位: うどん(8票)

第2位は、うどんでした。プカンバルには、丸亀製麺(インドネシアでは「Marugame Udon」)が2店舗も出しています。
うどんも家で作ろうと思えば作れるのですが、麺は輸入ものになり、だしは別で買わなければなりません。
インドネシアのキッコーマンがうどんやそば用のスープ(ハラル)を現地生産・販売してはいますが、ラーメンほどの手軽さはありません。
うどんを選んだ回答者からのコメントは、次のとおりです。
「Marugame Udonのビーフカレーうどんが好きです。麺が太いのでお腹を満たすのにもいいと思います。」
「麺に歯ごたえがあり、すぐお腹がいっぱいになるので好きです。」
「カレーうどんが大好きです。」
カレーとの相性がよく、空腹を満たすのにもいいという意見ですね。ちなみにMarugame Udonにはだしを使ったうどんもあるのですが、このうどんについてのコメントはありませんでした。
日本食を食べたインドネシアの方から「味が薄い」という声がよく聞かれるので、カレーのように味がはっきりしたもののほうが好まれる印象です。
第3位: 寿司(6票)

第3位にようやくランクインしたのが寿司です。55票のうち獲得したのは6票のみ。プカンバルでは、うどん屋より寿司屋のほうが圧倒的に多いため、意外な結果でした。
また、うどん屋といえば(値段が高めの)Marugame Udonという状況なのに対し、寿司屋は値段がピンキリ。うどんより安い寿司を出す店もあるわけです。
店の多さや値段の安さが、そのまま支持につながるわけではないことがわかりました。
また、コメントを寄せてくれたのも1人だけでした。次のとおりです。
「寿司は見た目がきれいだし、おいしいし、日本独特のもので、体にもいいと思います。」
見た目にも注目してくれています! 目の付けどころが秀逸です。
第4位: たこ焼き(5票)
第4位はたこ焼きです。わずか5票ですが、ラーメンが票をかっさらっていったので仕方がありません。
プカンバルでも、たこ焼きの屋台をちらほら見かけます。また、わたしの職場(日本語学校)でも、コロナ前はよくたこ焼きパーティーを開催していました。
と言ってもタコを手に入れるのは難しいので、職場のパーティーではイカやソーセージで代用していました。
ちなみにパーティーにあたっては、ソース問題が発生。日本からの輸入物も手に入るのですが、豚由来の成分が入っていることが多いためです。
この問題は、ハラルのオイスターソースと、ハラルのトマトケチャップを混ぜることで解決しました。
たこ焼きについては、回答者からのコメントはありませんでした。
第5位: 天ぷら、おにぎり(各3票)
第5位には、天ぷらとおにぎりが同率で並びました。各3票ではありますが。
天ぷら
天ぷらは、Marugame Udonで食べられます。揚げ物が好まれるインドネシアとは相性がいいようです。
天ぷらを選んだ回答者からも、次のコメントがありました。
「揚げ物が大好きです。」
おにぎり
おにぎりはインドネシアでもローソンなどで買えますが、プカンバルにローソンはありません。ただ、たこ焼き同様、職場でのパーティーでおにぎりを提供したことがあります。
ふつうのインドネシア米だとさらさらして作りにくいので、もち米とまぜて解決。のりはハラルの韓国のりを使い、中身はツナマヨなどにしました。学生にも好評でした。
おにぎりについては1つだけコメントがあったので紹介します。
「ツナマヨのおにぎりが大好きですが、中身が少ないことがあります。」
パーティーでは中身をケチったことはないので、おそらくジャカルタなどで買ったものだと思われます。
その他の食べ物
アンケートは基本的に選択式でしたが、「その他」を選んで自由に記入することも可能でした。また、選んだ食べ物についてのコメント欄に、他の食べ物について書いてくれている回答者もいました。
そこで出たものをここでまとめて紹介します。
- キリンのミルクティー
- みたらし団子
- セブンイレブン、「ファミリーマーケット」のプリン
共通点は「甘い」こと。
キリンのミルクティーは、プカンバルのスーパーでたまに売っています。
みたらし団子やプリンといったスイーツが好きだという意見も見逃せません。
ただし、プカンバルでは見たことがないので、他の町で食べたものと思われます。また、「ファミリーマーケット」は「ファミリーマート」と思われます。惜しい。
アンケートの概要
今回実施したアンケートの概要は、次のとおりです。
対象: 主にプカンバル(スマトラの地方都市)在住のインドネシア人
方法: インターネット調査(Googleフォームを利用)
期間: 2022年10月29日〜10月30日
回収数: 55(うち有効回答数: 55)
項目: 性別、年齢、好きな日本食(10種類から1つ選択、「その他」もあり)、好きな日本食に関するコメント
まとめ
この記事では、インドネシア人(主にプカンバル在住)が好きな日本食ベスト5を紹介しました。
アンケートには55人が協力してくれて、次の結果が出ていました。
第1位:ラーメン(24票)
第2位:うどん(8票)
第3位:寿司(6票)
第4位:たこやき(5票)
第5位:天ぷら、おにぎり(各3票)
インドネシアの方を食事に誘う際のご参考になれば幸いです。
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