インドネシアに入国するために使えるビザ

インドネシアは、入国するために日本人でもビザ取得が義務である国のひとつです。そのため、ビザなしでは入国することができません。

この記事では、インドネシアへ入国する際に使えるビザについて紹介します。

《プロフィール | 長野綾子(ながのあやこ)》
インドネシア在住17年。
日本語教師として来イ、その後インドネシア大学BIPA留学。2005年より日系グローバル人材紹介&ビジネスコンサルティング会社にてコンサルタントとして勤務。

コロナ下で必要な事前準備

現在、インドネシアへの入国は2回以上のワクチン証明書が必要です。事前にPedulilindungiのアプリをダウンロードして、アカウント作成をしておきワクチン接種証明書をアップロードして事前承認を完了させておくと入国がスムーズです。

また、入国後にインドネシア国内の移動予定がある場合は、ワクチン接種証明3回以上が必要ですので注意が必要です。

Pedulilindungiについては、日本を出国する際にアプリのダウンロードとアカウントの作成をしているか確認されることもあるので事前に準備しておきましょう。

もし、Pedulilindungiにアップロードしたワクチン接種証明書の承認が完了していない場合でも、日本で取得した英語訳付きのワクチン接種証明書を提示することでインドネシアへの入国は可能です。

インドネシア入国に使えるビザの種類

ここからは、インドネシアへ入国するために使えるビザを紹介しています。

➀アライバルビザ(Visa On Arriva)

コロナ下では、アライバルビザ(VOA)の発給を完全停止していましたが、2022年4月から観光・政府関連公務に限定しアライバルビザの発給を再開、2022年9月14日からアライバルビザ(VOA)で商談・商用目的(商品の購入・会議・乗り継ぎ)の入国が可能になりました。

2022年11月9 日からは事前にオンラインでも申請可能(e-VOA)となり入国がさらにスムーズになる見込みです。

VOAがオープンになってから日本からの出張者が急増しています。

ビザの取得方法

インドネシア到着時空港で購入(VOA)

従来からある方法で、下記の条件を満たすことで空港にて取得可能です。

  • 発給対象国は日本を含む86か国
  • パスポート有効期間が6ヶ月以上残っていること
  • ビザ取得費用IDR 500,000ルピア(約5000円)
  • 30日以内にインドネシアから出国するための航空券の提示(復路もしくは他国)

ビザ取得費用の支払いは日本円でも可能ですが、おつりはインドネシアルピア(レートはよくない)で、クレジットカードでも支払い可能ですが、3%の手数料がかかります。

また、アライバルビザで許可される最長の期間は、入国日を含めた30日間です。

オンラインで購入(e-VOA)

まず、専用サイトからアカウント登録をしてe-VISAを申請します。

申請の際には渡航チケット情報、滞在先住所の入力が必要なので、まずチケットと滞在場所の手配をしてから申請をしましょう。

下記の条件を満たすことで、オンラインでのアライバルビザの申請が可能です。

  • 渡航14日前~48時間前の間に申請可能
  • 発給対象国は日本を含む26か国
  • パスポート有効期間が6か月以上残っていること
  • 費用はIDR 500,000ルピア(約5000円)
    ※クレジットカード(JCB/VISA/Master)での支払い
  • パスポートサイズの写真(データ)
  • メールアドレス

注意点

ビザ適用範囲

活動範囲は若干グレーな部分があり、出張で使う場合は注意が必要です。実務を行わない・現場(事務所や工場の生産現場)へは立ち入らないことが基本です。

  • 商談:会議室での商談、交渉、契約締結。オフィスへ入り実務を行ったり、生産現場での監督などは不可
  • 商品購入:生産・販売活動の継続的な監督は不可
  • 会議:本社もしくはインドネシア法人・駐在員事務所が開催する会議の参加
  • トランジット:イミグレーションを通過したのち他国への旅行・移動を行う

ビザ延長をする方法

アライバルビザは、1回(30日間)のみの延長申請をすることが可能です。

延長手続きをする際には、インドネシア国内のイミグレーションに出向いて手続きを行う必要があります。

オーバーステイは1日IDR 1,000,000の支払い、場合により勾留・強制送還・一定期間の入国禁止などの措置がとられる可能性があるため注意してください。

ビザの切り替え

アライバルビザから、他のビザへの切り替えはできません。

そのため、留学や就労などの目的でインドネシアへ入国する場合は、事前に適切なビザ取得をする必要があります。

②一時訪問ビザ

一般的に「ビジネスビザ」と言われているもので、日本からの出張者のが多く使っており、目的に合わせて2種類あります。

30日の滞在が可能で、その後の延長も含めて最長6ヶ月の滞在ができます。アライバルビザとの違いは一時訪問ビザはスポンサーが必要な点です。また、一度出国してしまうとビザは失効するため注意が必要です。

銀行口座開設不可で、申請からビザ取得まで3日~1週間ほどかかります。

一時訪問ビザのカテゴリー

B211A:

観光、親族訪問、視察・商談、商品購入、講演、セミナー、国際展示会の参加、インドネシア現地法人もしくは駐在員事務所での会議、インドネシア領土にある輸送機関との合流など。工場訪問、就労は不可。

B211B:

工場訪問を含む工業関連の訪問(就労は不可)。製品価値向上、マーケティングの研修、インドネシア現地法人への監査・品質管理・検査。外国人労働者候採用に向けの試験・面接。

➂一時滞在ビザ

一般的に「就労ビザ」言われているもので、駐在員や現地採用の外国人が取得します。

入国後、ITAS(滞在許可)をイミグレーションで取得する必要があります。再入国許可(シングルかマルチ)を申請することでビザを失効せず出入国可能で、銀行口座開設も可能です。

一時滞在ビザのカテゴリー

C312:

就労、機械修理や設置、報酬を伴う専門職の活動など。就労許可(IMTA)と合わせてて申請を行い、1カ月~12カ月の取得が可能。

C313・C314:

投資家ビザと言われるもので、有効期限1年もしくは2年。

C317:

帯同ビザと言われるもの。就労を伴わない家族との同居者が対象。

④ソーシャルビザ

1週間~2週間で取得可能。

2か月~6か月以内滞在ビザです。短期留学や家族・親族訪問などに使われます。30日以降は毎月イミグレーションでの延長手続きが必要です。

出国するとビザは無効になり再取得が必要になります。銀行口座開設はできません。

⑤学生ビザ

2週間~1カ月で取得可能。

6ヶ月以上1年以内の留学に使われるビザで、取得のためには、パスポートの残存期間が18か月以上必要となります。

1年ごとに延長手続きが必要で、通常は所属する大学・教育機関の方へ必要書類を提出すると手続きを代行してくれます。

入国後、ITAS(滞在許可)をイミグレーションで取得する必要があります。また再入国許可(Re-entry)を取得することでビザを失効せず出入国が可能で、銀行口座開設も可能です。

⑥配偶者ビザ

2週間~1カ月で取得可能。

配偶者がインドネシア国籍者の場合に取得が可能で、1年ごとに更新が必要です。

入国後、ITAS(滞在許可)をイミグレーションで取得する必要があります。また再入国許可(Re-entry)を取得することでビザを失効せず出入国が可能で、銀行口座開設も可能です。

⑦リタイアメントビザ

約3ヶ月で取得可能です。取得には一定の資格・申請条件があります。

就労は不可ですが、1年~5年の滞在が可能で、1年ごとにイミグレーションで延長手続きが必要です。

5年経過後には、永住権の申請が可能となり、永住権を取得すると5年間のインドネシア在留が許可され、在留期間更新も可能となります。

入国後は、ITAS(滞在許可)をイミグレーションで取得する必要があります。また再入国許可(Re-entry)を取得することでビザを失効せず出入国が可能で、銀行口座開設も可能です。

自分での手続きは実質難しく、インドネシア指定のエージェントを通じて手続きを行うことになります。

主な取得条件は下記のとおりです。

  • 満55歳以上
  • 月1,500米ドル以上の支払い能力があること
  • 月500米ドル以上の賃貸契約が可能なこと
  • 損害保険加入
  • インドネシア人の雇用(お手伝いさん・ドライバーなど)
  • 健康診断証明
  • 身元引受保証人がいること(インドネシア政府指定のエージェント)

まとめ

今回は、インドネシアに入国するためのビザの種類を中心に紹介しました。

一般的に、短期の観光や商用でインドネシアを訪問する方は、アライバルビザを取得する方が多いですが、滞在期間や目的を考慮して適切なビザ手配をしてください。